吃音持ちの就活生に伝えたいこと 〜吃音当事者の経験から〜

記事制作:hwakui

最近、Twitterに吃音の就活生のツイートがよく回ってきます。

そこで、思い出しました。

 

「あ、そうだ。僕も吃音だった・・・。」

 

それくらい、今は”心理的に”克服しているのですが、

それでも、緊張したり、持病のうつ症状がひどい時は、まだまだ吃ってしまいます。

ただ、幼少期から吃音持ちで、腐るほど恥ずかしい経験もしてきて、

(小学生時代、発表会で「ぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ、僕は・・・」というトラウマ有)

就職活動もして、うつ病も発症して、退職して、

今はうつ病の療養とともに、フリーランスとして生きている身分なので、

吃音と戦いながら、就活と戦っている人たちに

少しでも勇気が与えられたらいいなと思い、このコラムを書くことにしました。

 

僕の就活時代

今でも、人前で話したり、自己紹介なんてものが、苦手です。

吃音持ちの方って、苦手な発音、あると思います。

僕は、サ行とハ行の発音が苦手です。よく吃ります。

で、皮肉なことに、僕の名前、「ワクイヒトシ」なのです。

なので、名前が、まず一つ目の難関。

面接など、フルネームを言わなくてはいけない、

自己紹介などのシチュエーションが大嫌いです。

プライベートでは、苗字しか自己紹介しません。

※そもそも下の名前が嫌いというのもあります

そんな僕は、緊張にも弱く、面接で落ちまくりました。

某銀行の集団面接、3対3、なぜか面接官との距離が5、6メートルほど離れていて、

緊張しすぎて、「わわわわわわわわわ、私・・・」と、取り乱してしまったこともあります。

ただ、今振り返ってみると、

吃音を理解していない、認めない会社には、

「こっちからお断りだ」

くらいの意識を持って欲しいと思います。

なぜかというと、内定が取れ、入ったとしても、

その先、社内の雰囲気であったり、業務内容であったり、

不都合が生じる可能性が高いのではないかと思うからです。





内定後・入社後の話

僕は、もともとエコノミスト職、金融系、

あと、マーケティングリサーチ系に行きたかったのですが、

全部落ちたので、大学4年生の5月に方向転換し、0から就活再開。

内定が取れたのは、ITベンチャー2社でした。

でも、それらの会社、すごく良かったです。

吃音であることを理解してくれました。

これは、嘘だと思うかもしれませんが、本当の話で、

入社を決めた会社、

一般的には、新人はよく電話対応をやらされることになると思いますが、

部長から、

「慣れるまで、株式会社〇〇、”新人”のワクイです」

って、言っていいよと言われました。

吃音は、不器用なわけではありませんが、慣れもあると思います。

電話という緊張に慣れるまで、僕は、「新人のワクイです」を使いました。

なので、多少ばたついたり、キョドッたり、

テンパって保留と間違って切ってしまったりしても、

相手も、「仕方がない」と思ってくれたのだと思います。

そんな感じで、吃音を理解してくれる会社に就職できたらいいですね。

 

個人的に思う、吃音克服のテクニック

1、苦手な発音を極力避ける

もうすでに、自然とそうしている方もいると思いますが、

苦手な発音を、違和感なく極力避けることが、一つテクニックかなと思います。

僕は、サ行が苦手と、上記で述べました。

例えば、

「〜した?」とかを、「〜やった?」と、違った言葉で発したりします。

状況によっては、少し違和感あるかもしれませんが、

そんな形で、苦手はサ行を回避したりしていました。

 

2、最初に苦手な発音を乗り越えて、緊張をほぐす

自己紹介だけ、どうしても避けられなかったので、

(本当は改名したいくらいでした)

そこでかなり失敗してきましたが、

ただ、苦手な用語、発音を上手くクリアすると、

少し自身がついて、緊張も解けたりもします。

なので、あえて、苦手な発音を、面接の最初の方に言ってみると、

ずっと緊張しっぱなしよりは、心に余裕ができるかもしれません。

 

3、いっそのこと、カミングアウトしてしまう

就活時、雰囲気にもよると思いますが、

言いやすい環境だったら、いっそのこと、カミングアウトしていいと思います。

自身が吃音であることを先に理解してもらうことによって、

自分自身の緊張も、少なからず、和らぐのではないかと思います。

ちなみに、僕が内定をいただいた会社は、

最終の社長面談で、吃音であることをカミングアウトしています。

中には、そんな形で、吃音を理解してくれる会社もあります。

 

最後に

僕の父親は、皮肉にも言語聴覚士なのですが、

「吃音は治らない」と言われ続けました。

幼少期に一部、治る方もいるみたいですが、

そう言われてから、ずっと吃音と向き合うことにしています。

ただ、最近は、あまり吃るほどの緊張がなくなったので、

上記の通り、すっかり、自分が吃音であることを忘れていました。

ですが、今でも緊張したり、うつ症状が出ていたり、睡眠不足であったりした時は、

まだまだ吃ってしまいます。

先日受けた雑誌のインタビューの際にも、

インタビュアーに、「僕は吃音です」と話しましたし、

そんな時に、自分自身は吃音なんだなと、思い出します。

まだまだ吃音について、なかなか世間は理解してくれない、

ただの緊張しやすい人、変な人、そんな目でみられることがあると思います。

そんな社会が、もっと吃音を理解してくれるようになると嬉しいですね。

↓ 父親にあげた、吃音をテーマにした珍しいマンガです

 

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

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  • 作者:押見 修造
  • 出版社:太田出版
  • 発売日: 2012-12-07




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